「グローリー 明日への行進」


 

グローリー 明日への行進

 

2014年 イギリス・アメリカ合作 2h8 <予告編

 

監督:エバ・デュバーネイ

 

出演:デビッド・オイェロウォ/トム・ウィルキンソン

 

 サロンシネマで、映画『グローリー 明日への行進』を観ました。1960年代に公民権運

 

を進めた、マーチン・ルーサー・キング牧師のアラバマ州での行進を描いた映画です。

 

デモというか、黒人に実質的な選挙権を認めさせるための行進ですが、暴力的な弾圧の中で、

 

裁判闘争に勝っての大変な行進です。

 

「グローリー」と言えば、南北戦争の黒人部隊を描いた,D・ワシントン出演の映画を連想し

 

ます。この映画の原題は「セルマ」、行進の始まった町の名前ですが、この映画の最後の歌や

 

D・ワシントンの映画にかけての邦題かもしれません。

 

 アラバマ州の隔離政策に固執するG・ウォーレス知事を、テイム・ロスが憎々しく演じてい

 

す。合州国憲法には選挙権は平等とあっても、有権者登録のところで黒人をパージする場面

 

リアルです。

 

 以前にみた映画『ザ・ヘルプ』でも、有権者登録に行こうとする黒人が妨害を受ける場面が

 

あった記憶ですが、そこから全て排除される社会的仕組みが見えます。キング牧師が活動した

 

時代と今とは大きく違いますが、日本の今の全国でなされている集会やデモに繋がるような映

 

画でした。

 

 皮肉だったのは、南部の隔離政策(正確には分離して平等政策)を撤廃する法案を出す、優


柔不断のジョンソン大統領が、会での演説です。それは、「we shall overc


ome」と言って締めた所でした。主演のキング牧師を演じた彼の演説の迫力は凄く、黒人女


性監督の描いたキング牧師の私生活も、活動の厳しさが反映していました。

 

                                    (ストーン)