「神様のカルテ2」「偉大なる、しゅららぼん」「さよなら、アドルフ」「ネブラスカ」
監督の舞台挨拶付きの試写会に行きました。
深川栄洋監督からは、「原作も櫻井翔も前作と比べ、とても成長している。櫻井君は、2年間
の間に色んな演技を引き出せるようになっていた」とおっしゃっていました。
あいにく前作は見ておらず、原作も読んでいないので、比べることが出来ませんでしたが、映
画を観て、櫻井翔の成長ぶりは確認できました。
24時間365日患者を受け入れる病院で、過酷な勤務を強いられる医師の物語は、ニュース
で聞くと、どこか遠い所で起きている出来事のように思えます。
そんな現実をとても身近なものに感じさせてくれる映画でした。医師にも家族はいるし病気に
もなります。「医学部の良心」といわれていた親友の変貌や、恩師の病気に戸惑いながらも、誠
実に命と向き合う一人の医師の姿は、爽やかなものを私の心に残してくれました。
深刻なテーマがユーモアを交えながら描かれており、原作も前作より成長していることが想像
できました。
(みかん)
日本最大のパワースポット、琵琶湖の湖畔に住み、1300年にわたり、代々〈不思議な力〉を伝承
してきた一族、日出家と棗家。激しい戦いを続けてきた両家の跡取りと、日出家に力の修行に来て
いる供の者が、同じ高校に入学し、クラスメイトとなって、青春する、アドベンチャー・エンター
テイメントなのだが、とにかく、何も考えずに笑って見られる。濱田岳も岡田将生も深田恭子も、
その他のみなさんも、摩訶不思議な世界に引き込んでくれる演技力が素晴らしい。
(みかん)
さよなら、アドルフ
2012年製作 オーストラリア/ドイツ/イギリス合作
上映時間 1h49 <予告篇>
監督:ケイト・ショートランド
出演:サスキア・ローゼンタール / カイ・マリーナ / ネレ・トゥレープス
ナチス・ドイツを描いた作品は枚挙に暇はないが、ナチスの高官だった子どもが、「その後」
をどう生きたのか、そこに焦点を当てたものは少ないと思う。両親が拘束され、置き去りにされ
た14歳の長女ローレが、弟、妹たちと遠く離れた祖母の家を目指す物語である。ナチスの残虐
な行ないを知ったローレは、戸惑いつつも必死に生き延びる。途中、ユダヤ人の青年に助けられ
る。自身がこれまで支えにしていた概念も揺らぎ始める。過酷な現実に直面し、さまざまな経験
を経たローレの成長の物語に、心を揺さぶられた。
<たまご焼き>
1945年春、敗戦が色濃くなったドイツ。14歳の少女ローレ一家は慌ただしく引っ越しの準備を
しています。
ナチの高官だった父は落ち着きを無くし庭で大量の書類を燃やしています。やがて父は出てい
き、更に母も「ハンブルグのお祖母ちゃんの所に行きなさい」と言い残し出ていきます。
残ったのはローレを筆頭に妹、双子の弟、それに乳飲み子の5人です。ハンブルグまでは900キ
ロもあります。ローレには事態がよく飲み込めません。
しかし両親がいなくなった今、健気に長女としての役目を果たそうとするのです。彼女が道中
に遭遇するのは何もかもが変わってしまった敗戦国ドイツの姿でした。ナチの身内に対する世間
の風当たりは冷たく、例え子どもといえども優しく救いの手を差し伸べる者はいません。
唯一、違ったのは、途中に出逢ったユダヤ人らしい青年トーマスでした。彼には色々なことで助
けられ旅を続けていきますが、ローレの中にはユダヤ人蔑視が抜き難く残っています。
果たしてローレたちが目指すお祖母ちゃんの家は安住の地となるのでしょうか。
この映画は今までほとんど目にすることの無かった“ヒトラーの子どもたち”の絶望と恐怖、
葛藤を描いて、彼らの心に深く刻み込まれる戦争の傷跡を浮き彫りにしています。
2014/3/15 サロンシネマ <紅孔雀>
無口で、頑固で、ひょいと皮肉やジョークをとばす、中西部の爺さんの出る映画はハズレがない。
小型トラクターで蝸牛のように中西部を横切る「ストレイト・ストーリー」という傑作や、最近のC・
イーストウッドの「人生の特等席」なども。
100万$の賞金が当たったという手紙を疑わない親父。歩いてでもネブラスカのリンカーンまで行こ
うとする親父に手を余した息子が、親父の頑固に付き合っての2人旅。カナダの国境に接したモンタナか
ら、中西部へ南下し、途中で親父の生まれ故郷に寄ります。
そこで、旧友、知人らと久々に出会い、100万$でちょっとした騒ぎが。息子が、町新聞の古い記事
の中に若い親父の写真を見つけ、自分の知らなかった親父のことが次第に判ってくるシーンもいいです。
しかし、集まった兄弟らがみんな揃ってテレビに釘付けや、話すと言えば車の話だけでほかには話題
のない様子など、デフォルメがきついけれど笑わせます。でも、その車がミソなのですが、それはお楽しみ。
主演の親父のB・ダーンは、J・フランケンハイマー監督の「ブラック・サンデー」で狂気じみた役
で強烈な印象でしたが、見事な頑固親父役でした。
2014/3/2 シネツイン<石>