2012/8月掲載

 

「サンザシの樹の下で」「ダークナイト・ライジング」「ニッポンの嘘・報道写真家 福島菊次郎 90歳」

「裏切りのサーカス」

 

362回会員限定例会

 

「サンザシの樹の下でのアンケートに記載された一口感想です。

                         

                         映画の内容についてはこちらををご覧ください。

 

 

人の感情はどこの国でも変わらないものですね。近頃になく感激しました。    
  これからもよろしくお願いします。二胡の演奏がとても素敵でした。      
久しぶりにきれいな清い感情を思い出しました。見てよかったです。ありがとうございました。  
  前のドアを映画の途中でopenにするのは良くなかったです。      
  携帯電話のスイッチの確認もした方がよかったですね。        
映画は、ストーリーもさることながら、中国の人の生活感、時代感、社会の様子などが、  
  伝わってきて、感じることが多かったです。          
  中国映画もすてきだなと思いました。イデオロギーが入りすぎていないところも良かったと思いました。
どんな厳しい環境の中でも出会いを大切にして愛を育むことは生きる力を与えてくれると思う。  
  絵画的で美しかった。二胡ともコラボ、とても良かった。        
友人から思いっきり涙が出る映画を見に行こうと誘われて来たけど、どこが泣く映画なんだろうと
  思っていたら、最後に泣けて、すっきりしました。        
現代には通用しないかと思われるプラトニックラブ、素晴らしいと思いました。    
久しぶりの恋愛もので涙が止まりませんでした。ありがとう!!      
二胡演奏も良かったです。            
戦前の日本の男女関係のように感じた。私よりもっと上の世代(母)のことのように思えた。  
良い映画でした。純粋な思い、気持ちが甦り、こちらが恥ずかしくなってしまいました。  
  こういった映画に触れるチャンスをくださり、ありがとうございました。    
清らかで、美しく切ないお話でした。こんなに愛されたら幸せだろうな…とは思いますが、  
  短く終わったからこそ、かけがえなく美しいままだったのかな?とも思いました。    
  いろんな愛のカタチがあるのでしょうね。          
二人の愛の背景にある厳しさを感じることができました。画面の風景だけでなく、二人の色々な  
  場面がとても美しく感動的でした。若い頃を思い出しました。      
遠い日の心ときめくようなピュアな気持ちを思い出しました。      
  ヒロインの顔がいかにもストーカーにつきまとわれそうな…        
二胡の演奏は素晴らしかったです。            
泣けました。物語は韓流的だったけど、中国の当時の様子がよくわかったこと、あとは  
  美しい風景が心に残りました。            
映像はとても美しい場面ばかりでした。ストーリーは少々稚拙な感じがしました。    
  農村との距離感がよく判りませんでした。          
一見ありえないような演出もトータルで見れば納得。確かにチャン・イーモウはこのような  
  ラブ・ストーリーがうまい。映像も美しかった。        
純愛、お涙頂戴ものでフツー。同じ監督の『初恋の来た道』の方が、もっと泣けた。    
  文革の悲惨さが全く無いのは?            
『野菊の墓』の中国版だと思った。            
とても感動的な映画だった。久しぶりに感動的な涙を流させていただきました。    
  ありがとうございました。            
抽選会が楽しかった。当たればもっと良かった。        
青年スンの「心」にないてしまいました。センザシはバラ科の木で、白い花が咲くと本で読んで  
  いたので、中国では赤い花が咲くのか?と思いながら映画を見ていました。    
  最後に「やはり、中国でも白い花が咲く」とわかりホッとしました。      
美しい映画で、感動しました。ジンチュウのういういしさ、純愛と、背景の川の流れが印象的。  
                   
   
(C)2012 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC. AND LEGENDARY PICTURES FUNDING, LLC
(C)2012 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC. AND LEGENDARY PICTURES FUNDING, LLC

 

ダークナイ

 

             ライジン

 

 

 

製作 アメリカ / イギリス  上映時間 2h45  <予告篇

 

 

 

 

   CAST

 ブルース・ウェイン(バットマン)・・・クリスチャン・ベイル

 

 ベイン・・・トム・ハーディ

 

 セリーナ・カイル(キャット・ウーマン)・・・アン・ハサウェイ

 

 アルフレッド・ベニーワース・・・マイケル・ケイン

 

 ジェームズ・ゴードン・・・・ゲイリー・オールドマン

 

 ルーシャス・フォックス・・・モーガン・フリーマン

 

 STAFF

 監督・・・クリストファー・ノーラン

 

 脚本・・・ジョナサン・ノーラン

      クリストファー・ノーラン

 

 音楽・・・ハンス・ジマー

 

 撮影・・・ウォーリー・フィスター

 

 1作目「バットマン・ビギンズ」 2作目「ダークナイト」に続くクリストファー・ノーラン監督による

 

 バットマンシリーズ3部作の最終章。前2作を未見の方は出来れば鑑賞後に劇場に足を運ぶと、

 

 より理解が深まる仕掛けになっています。

 

 まず音楽の重低音に圧倒されます。腹に響きます。冒頭の飛行機による拉致の方法も奇想天外で

 

 びっくりします。

 

 フットボール場の爆破や群衆による乱闘シーンも迫力満点です。実際のスタジアムを使い、

 

 あるいは気の遠くなるような数のエキストラを集めて実写したそうです。

 

 製作費2億5千万ドルもかけるとこんな映画が出来るんだと思わせられます。クリストファー・ノーラン監督は

 

 その使い方を知っているから出来たので慣れた監督でなければこんな大金、使い方が分からないでしょう。

 

 ストーリーも味方なのか敵なのか分からない人物が複数登場し最終章ならバットマンは死んでしまうのでは

 

 ないかと思わせるシーンもあり三時間近い上映時間を飽きさせません。

 

 エンターテインメント作品の作り方を良く心得ているハリウッドならではの作品です。

 

 この手の作品は悪役のキャラクターが重要ですが今回のベイン(トム・ハーディ)はあまりにも強烈だった

 

 前作ジョーカー(ヒース・レジャー)ほどではありませんがよく頑張っています。

 

 それにしてもバットマンが大金持ちで次々に出てくる新装備・兵器を金策の苦労もなく作る事ができるので

 

 安心です。確かにバットマンが銀行で頭を下げる姿は見たくありませんので、

 

 観客のことをよく考えてくれているとても親切なつくりになっているのです。

 

 突っ込みどころも数多くあり、ラストも「それはないよ」と言いたくなりますが、

 

 そんなものは力技で蹴散らしてしまいます。確かにご都合主義ですが原作はアメリカの漫画ですから・・・。

 

 蒸し暑い夏、気楽に楽しむ一作です。でも、音響は本当にすごいです。

 

 「裏切りのサーカス」に出演している役者が二人、この作品にも出演しています。特にトム・ハーディは

 

 そのメイクやコスチューム?のせいで最後まで同一人物だと分かりませんでした。2012/8/12M

 



(C) 2012『ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳』製作委員会
(C) 2012『ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳』製作委員会

 

   ニッポンの嘘 報道写真家 

 

   福島菊次郎90歳

 

        日本映画 ドキュメンタリー 

  

        上映時間 1h54    <予告篇

 

    監督 長谷川 三郎      <福島菊次郎の遺言その1

                 <福島菊次郎の遺言その2

                 <テレビ朝日


 久しぶりに感動したドキュメンタリーでした。観てよかった。情報ありがとうございました。

 

 信念に生きた菊次郎さんは老いても美しい目の人でしたね。

 

 それに若いころはハンサムだけどりっぱなお顔で、人柄が顔にでるものだと感心しました。

 

 今のよくテレビに出る政治家の嫌な顔は今の日本の貧しい政治を反映していると再確認しました。

 

 菊次郎さんが今の広島には興味がない、嘘があるからと、言ってらしたのが印象的でした。

 

 いろいろと考えさせられる映画でした。 2012/8/10(み)

 

 


 

 私の生きてきた年代(1945年生まれ)は、彼の撮影した全ての報道写真に一致します。

 

 福島の原発事故・被爆事件を機に、「日本再生」につなぎたいと願う人が多くなっていると思います。

 

 そういう流れにするためにもこの映画を皆さんで見ましょう!!

 

 一番強く感動したことは、老いることに甘えず、しっかりと現実を受け止めていることです。

 

 福島氏のように最期まで強く生きたいと思いました。

 

 90歳という年齢にはとても思えない、自問自答のような彼の語り口がいつまでも心に残りそうな

 

 ドキュメンタリーでした。 2012/8/9(む)

 

 


 

 先般、八丁座で「ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90才」を見ました。

 

 今は柳井市に独りで住む90才の写真家。

 

 フクシマの写真を撮るシーンから、戦後まもなくの基町の原爆スラム、1人の被爆者、公害の被害者、

 

 ABCCや自衛隊に「嘘を言って乗り込み撮影」等々、強烈でした。

 

 こんな写真家がいたのかという驚きと、その強い信念には圧倒されました。

 

 全国で上映館がごく少ないそうですが、その中で八丁座は彼の舞台挨拶までも!!

 

 一緒に住む犬の喰いっぷり、古い古いワ-プロを開くときの可笑しさなど、笑いも誘われます。

                                     2012/8/7(い)


 

 

 映画全体を覆っているのは90歳になってなお半端ではないその生きざまです。

 

 広島の被爆者中村さんを被写体にしたことが原点となったのですが、福島さんは既に亡くなったその中村さんに

 

 今も謝りながら寄り添っています。

 

 90歳の老人のここまで徹底した気骨を見せつけられるとその取材方法など

 

 多少無茶だと思うことがあっても苦笑いをするしかありません。

 

 子供たち三人を男手ひとつで育て上げ娘さんから「爽快な人です」と言われれば本望でしょう。

 

 その昔、放火され家が焼けたとき娘さんが真っ先にネガを持ち出してくれたそうです。

 

 91歳なってなお年金も生活保護も受け取らない。

 

 今も何かに憑かれたように福島原発事故の「日本の嘘」を暴くために37㎏の痩身に鞭打っている

 

 福島さんに脱帽です。

 

 八丁座 入口ロビーにて福島さんのミニ写真展が開催中されています。 2012/8/8(M)

 

 

裏切りサーカス     

 

製作 イギリス / フランス / ドイツ

上映時間2h08 <予告篇

 

CAST

ジョージ・スマイリー・・・ゲイリー・オールドマン

ビル・ヘイドン・・・・・・コリン・ファース

リッキー・ター・・・・・・トム・ハーディ

パーシー・アレリン・・・・トビー・ジョーンズ

ジム・ブリドー・・・・・・マーク・ストロング

                          ロイ・ブランド・・・・・・キアラン・ハインズ

                          トビー・エスタヘイス・・・デヴィッド・デンシック

 

STAFF

監督・・・トーマス・アルフレッドソン

脚本・・・ブリジット・・オコーナー

     ピーター・ストローハン

撮影・・・ホイテ・ヴァン・ホイテマ

音楽・・・アルベルト・イグレシアス

 

 

    「裏切りのサーカス」って変なタイトルだなぁと思っていたら、サーカスとは英国諜報部のことでした。

 

 英国諜報部といえば007のジェームズ・ボンドが有名ですが内容は全く違います。

 

 こちらは緊張感漂うシリアスな物語です。

 

 派手なカーチェイスもなければ爆発もありません。時折り乾いた銃声が響くだけです。

 

 サーカスの幹部4人の中に二重スパイ『もぐら』がいます。その『もぐら』を探し出すために引退した

 

 老スパイ-スマイリーに白羽の矢が立ちます。

 

 ターゲットはコードネーム「ティンカー」「テイラー」「ソルジャー」「プアマン」の4人。

 

 開始から15分間スマイリー(ゲイリー・オールドマン)は口を開きません。

 

 それでいて静かな威圧感を漂わせます。その威圧感がこの映画のトーンを良く表しているのです。

 

 あるいは「重苦しさ」といっていいかもしれません。

 

 時代は1970年代の東西冷戦時。従って盗聴のための機械など、全くのアナログでレトロ感いっぱいですが、

 

 スマートさが無い分、かえって不気味さが漂います。

 

 戸惑うのは登場人物の多さと、4人の被疑者がコードネームだけでなく本名でも呼ばれることで

 

 次第に誰が誰だか分からなくなってしまうからです。

 

 この映画に限って事前に名前と顔、人物相関図及び若干のあらすじをしっかり頭に入れてから鑑賞されることを

 

 お勧めします。

 (上の「人物相関図」をクリックして画面下の「twitter」をクリック更に画面右上の ×をクリックしてください。

  相関図を見ることができます)

 

 劇場(シネツイン・本通り)入場時に簡単なチラシを受け取れますが、にわか仕込みでは間に合いません。

 

 それらをしっかり把握してから鑑賞するとゲイリー・オールドマンの渋い演技ともあいまって、

 

 この重厚な作品の面白さを充分堪能することができます。「ライター」や「めがね」などの小道具にも

 

 注目してください。

 

 おまけ・・・映画の途中で画面の質感、ヨーロッパ映画ということで、あるいはと思っていましたが

 

 やはり「フジフィルム」でした。ヨーロッパの映画ではフジフィルムがよく使用されます。 

 

                                        2012/8/1(紅孔雀)

 


 

 J・ル・カレ原作の純スパイ映画で、決してサーカスが舞台の映画ではありません。

 

 昔、早川のポケミスでボンドやその他のスパイ小説を、ル・カレのは単行本で出てミステリ文庫で

 

 読みあさりました。

 

 また、冷戦時代の英米ソのスパイ戦の映画は、1960年代に「007/ロシアより愛を込めて」

 

 (封切り時は、「危機一発」)のようなアクション物も、パーマーなどもう少しリアルなものもあって、

 

 これまた拾い見してました。

 

 自分の組織に潜り込んだ二重スパイ、この映画では「もぐら」をあぶり出す話は、けっこう沢山あります。

 

 が、これはル・カレの原作だけあって、組織内の様子もリアルだし、イギリス映画らしく、渋くて

 

 いかにも曲者という容貌のメンバーが揃っているので、役者を見て最初から「こいつが犯人だ!」とは

 

 なりません。

 

 スマイリーが調査の過程で、解雇された職員から話を聞く中に、なぜ調査を中止するのか、

 

 ポケットに隠した写真は?・・など、ジグゾーパズルのような断片が見え隠れする細部の面白さが

 

 あります。

 

 映画はラストでスマイリーの落ち着き場所が決まるのですが、小説はそれから「カーラ」とスマイリーの

 

 戦いが始まります。

 

 田舎の実家の本棚から取り出して、原作を読み直すと、映像で見せていく緊迫感と面白さが、

 

 もっとよく判るかも知れません。   2012/8/5(い)