「スポットライト 世紀のスクープ」 「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」

 

 

スポットライト 世紀のスクープ

 

 

 2015年 アメリカ映画 2h8 <予告編>

 

 

 監督:トム・マッカーシー

 

 

 出演:マーク・ラファロ/マイケル・キートン/レイチェル・マクアダムス

 

 

 

 

アカデミー賞の作品、脚本賞というのと新聞記者の話というので余り予備知識なしに観まし

 

た。題材は教会の暗部で、先般の例会作品『オレンジと太陽』にも通ずるところがあります。

 

「スポットライト」とは、じっくり行った調査報道の特集のことで、闇夜を照らすという趣旨

 

のようです。その調査班のリーダーがロビー(マイケル・キートン)でしゃべりすぎず、しか

 

し寸鉄何とかで、ぴったりはまっている。でも最初に名前が出る役者が一番エネルギッシュな

 

記者役で、扱いにくい弁護士への取材や重要な裁判記録に関わり苦労する様子がリアルです。

 

被害者へのインタビューの詰め、被害者を尋ね歩く膨大な労力、資料からの丹念なリストアッ

 

プなど「調査報道」の様子もまたリアルで、スリリングです。なぜ最初の問題提起を新聞社の

 

誰が受け止めなかったのか、わざと流したのかというミステリアスな要素も折り込みながら取

 

材が進みます。うまいなと思ったのは、記者が裁判官に記録の開示を決断させる際の切り返し

 

たセリフ(是非、観て下さい。こんな切り返しが仕事でできればと思いました)。

 

終盤で、先のミステリーが解ける時、編集局長が言うセリフが、この映画のタイトルと結びつ

 

くのもうまいです。地味な映画ですが権力からメディアが揺さぶられている今、このような調

 

査報道が必要なのではと思いました。                            

 

              (ストーン)

 

 

 

私もスポットライトを観てきました。作品について、ほめるべき部分は多々ありますが、その

 

点は他の人に任せるとして、少し物足りないな、もう少し突っ込んでほしかったな、と思う部

 

分について一言…。

 

神父たちが児童虐待に手を染めるのですが、なぜそうなったのかをもっと突っ込んでほしかっ

 

たと思いました。また「個人でなく教会の隠避システムが標的」と新聞記者たちが随所に繰り

 

返しますが、そのシステムの周辺があまり描かれていなかったのでは、とも思いました。それ

 

に、新聞記者の悪戦苦闘ぶりが中心に描かれていますが、ともすれば、かっこよすぎと思った

 

りします。と、注文を付けましたが、基本的にはとってもよくできた、さすがアカデミー賞の

 

作品賞、脚本賞を取ったテンポのある作品だと思いました。サスペンスの部分も散りばめられ

 

ているので、ぜひ映画館に足を運ばれてはいかがでしょうか。                                       

 

       (F)

 

 

ニューヨーク 

 

 

眺めのいい部屋売ります 

 

 

2014年製作  アメリカ映画  上映時間132  <予告篇> 

 

    監督:リチャード・ロンクレイン

 

   出演:モーガン・フリーマン / ダイアン・キートン / シンシア・ニクソン 

 

 

ニューヨーク・ブルックリンの街を一望できるアパートメントの最上階に画家のアレックス・

 

カーヴァーと元教師の妻ルースが住んでいます。この理想的な家に住んで40年が経ったのです

 

が、この建物にはエレベーターがありません。アレックスが日課としている愛犬ドロシーとの

 

散歩を終え、5階にある我が家へ帰宅すると、姪のリリーがいました。リリーは、やり手の不動

 

産エージェントです。夫の今後を心配したルースがエレベーターのある住居へ引っ越そうとア

 

レックスを説き伏せ、今の住まいを売ることにしたのです。

 

そんな折、ドロシーに異変が起こります。行きつけの動物病院で診察してもらうとドロシーは

 

ヘルニアを患っており、手術が必要と言われてしまいます。折しもマンハッタンへ渡る橋の上

 

でタンクローリーが事故を起こし付近は大渋滞。そんな中、やる気満々のリリーがお客を連れ

 

てやって来ます。部屋は一風変わったニューヨーカーたちで大賑わい。一方、新居を探し始め

 

るルースとアレックス。見晴らしの良い家は誰の手に渡り、そして二人の新居はどうなるので

 

しょうか・・・。

 

愛犬のドロシーが散歩からの帰り、長い階段を嫌がる仕草に笑ってしまいます。

 

黒人の夫(モーガン・フリーマン)と白人の妻(ダイアン・キートン)のキスシーンが何度か

 

ありますが、それを見て「招かれざる客」(1967年)で黒人(シドニー・ポアチエ)と白人

 

(キャサリン・ホートン)の恋人同士のキスシーンが全くなく、ぎこちないハグだけだったこ

 

と。そして「ペリカン文書」(1993年)で共演したデンゼル・ワシントンとジュリア・ロ

 

バーツの間にもキスシーンはなかったことを思い出しました。

 

ジュリア・ロバーツは「(撮影中)いつこの人とキスができるのだろうとドキドキしていた

 

が、ハグと頬へのキスで終わってしまいがっかりした」と答えています。一方、デンゼル・ワ

 

シントンは「(映画で)白人女性とキスをすれば、あっという間に攻撃の対象にされる」と

 

話しています。更にデンゼル・ワシントンが「トレーニングデイ」でアカデミー主演男優賞を

 

受賞した時、ステージ上で自分のことのように喜んだジュリア・ロバーツに対しても控えめに

 

対応していたデンゼル・ワシントンの姿が印象的でした。だからこの映画でモーガン・フリー

 

マンとダイアン・キートンのキスシーンをみて時代の変遷を感じ少し嬉しくなりました。

                                     <紅孔雀>